アルトサックスの低い音が出ない場合の3つのチェックポイント

アルトサックスの練習をしていて低い音が出なくて困っている初心者の方は非常に多いです。

私も初心者の頃はアルトサックスの低い音が出せなくて途方に暮れていました。たくさんの試行錯誤の結果、今では最低音のシフラットまでしっかりと出せるようになりました。

そのときの経験をもとに、アルトサックスの練習をしていて低い音が出せないときにどうすべきかをお伝えします。

この記事を読むと、アルトサックスの低い音を出すコツが分かるので、サックスの練習をスムーズに進めることができるようになります。

結論を一言で言うと、低い音を出すには「たくさんの息をゆっくりと高い圧力で」吹き込む必要があります。そのためには「寒いときに手を温めるイメージ」で息を「ホー」っと吐き出すことが大切です。

低い音を出すための3つの息の使い方

低い音を出すには次の3つの全てを満たす息をサックスに入れる必要があります。

• 息の量：多い
• 息のスピード：遅い
• 息の圧力：強い

息の量：多い

サックスという楽器は口に近い部分が細く、先に行けば行くほど太くなっています。

低い音を出すためには、サックスの太い部分まで息を届ける必要があります。

太ければ太いほど多くの息が必要です。結果、低い音を出すためには多くの息が必要になります。

息のスピード：遅い

サックスはリードが振動することで音が出る楽器です。音の高さはリードの振動のスピードで変わります。

高い音ほど振動は速く、低い音ほど振動は遅いです。低い音を出すためにはリードをゆっくりと振動させる必要があります。

リードをゆっくりと振動させるためには息をゆっくりと吹き込む必要があります。

息の圧力：強い

サックスはリードをマウスピースに当てることで音を出しています。リードをマウスピースに当てるためには高い息の圧力が必要です。

息の圧力が足りなければリードがマウスピースに届かず、音が出ません。

低い音を出すためには「息の量：多い」「息のスピード：遅い」「息の圧力：強い」の全てを満たす息をサックスに入れる必要があります。

アルトサックスの低い音が出ない場合の3つのチェックポイント

低い音が出ない場合は次の3つをチェックしてください。

• 息の量を多くしようとしてスピードも速くなってしまっていないか
• 息のスピードを遅くしようとして圧力も弱くなってしまっていないか
• 息の圧力が弱い状態で音を出そうとしてマウスピースをかんでしまっていないか

息の量を多くしようとしてスピードも速くなってしまっていないか

初心者の頃は、息の量を多くしようとするとスピードも速くなってしまいます。風船を一息でふくらまそうとするときのようになってしまうのです。

息のスピードまで速くなってしまうと、リードの振動も速くなってしまいます。リードの振動が速くなると音が裏返りやすくなります。

息のスピードを遅くしようとして圧力も弱くなってしまっていないか

息のスピードが速いと音が裏返ってしまうので、息のスピードを遅くしなければなりません。しかし、初心者の頃は、息のスピードを遅くしようとすると息の圧力も弱くなってしまいます。

息の圧力が弱いとリードをマウスピースに届かせることができずに音が出ません。

息の圧力が弱い状態で音を出そうとしてマウスピースをかんでしまっていないか

息の圧力が弱い状態だと音が出ません。息の圧力が弱いまま何とかして音を出そうとするとマウスピースをかんでしまいます。

マウスピースをかむことで、マウスピースとリードを近づけることができるので確かに音は出やすくなります。

しかし、マウスピースをかんだ状態というのはリードの先端だけが振動している状態です。振動している部分が短いのでリードが振動するスピードが速くなりやすく、音が裏返りやすくなります。

また、リードの振動を抑えつけている状態なので、仮に裏返らなかったとしてもいい音が出ません。

低い音が出ない人が持つべき2つの意識

低い音が出ない人は3つの原因を取り除かなければなりません。低い音が出ない原因が全て解消できれば低い音を出すことができるようになります。

低い音を出すためには次の2つができれば大丈夫です。

• 多くの息を吹き込むけれど速くは吹き込まない
• ゆっくりと息を吹き込むけれど圧力は高く保つ

多くの息を吹き込むけれど速くは吹き込まない

多くの息をゆっくりと吹き込むコツは「寒いときに手を温めるイメージ」で息を「ホー」っと吐き出すことです。

もちろん口を開いてしまうとマウスピースの横から息が漏れるので、口は閉じたままです。口を閉じたまま、「寒いときに手を温めるイメージ」で息を「ホー」っと吐き出します。

息を「ホー」っと吐き出すことで多くの息をゆっくりと出すことができます。

ゆっくりと息を吹き込むけれど息の圧力は高く保つ

初心者の頃は「寒いときに手を温めるイメージ」で息を「ホー」っと吐き出すと、息の圧力が弱くなってしまいます。

息の圧力が弱いのは腹筋周辺の筋肉がまだ鍛えられていないことが原因なので仕方がありません。筋肉はすぐにはつかないからです。練習を繰り返していくうちに自然とついていきます。

腹筋周辺の筋肉が鍛えられるまでは、息の圧力が弱くても音が出るマウスピースとリードを使うことが大切です。

弱い息の圧力のまま低い音を出そうとすると、どうしてもマウスピースをかんでしまいます。

マウスピースをかんでしまうと腹筋周辺の筋肉も鍛えられないので、音が出やすいマウスピースとリードに交換することが大切です。

【まとめ】アルトサックスで低い音が出ない場合に考えるべきこと

アルトサックスは低い音を出すのが難しい楽器です。たくさんの息をゆっくりと高い圧力で吹き込まなければならないからです。

たくさんの息をゆっくりと吹き込むコツは、「寒いときに手を温めるイメージ」で息を「ホー」っと吐き出すことです。

息の圧力は、初心者のうちは弱いのは当たり前なので、息の圧力が弱くても音が出せるマウスピースとリードを使っていくことが大切です。