- アルトサックスのリペア費用をできるだけ抑えたいんだけど……
- アルトサックスを長持ちさせるメンテナンス方法が分からない
- 初心者が自分でできるアルトサックスのお手入れ方法を教えて!
自分でできるメンテナンスをしなかったために、定期メンテナンスで高額の修理代がかかってしまう初心者の方が非常に多いです。
私もサックスを始めて1年目のメンテナンスで非常に高額のメンテナンス費用がかかってしまいました。
そのときの経験をもとに、定期メンテナンスの費用を抑えるのに効果的な日々のメンテナンス方法をお伝えします。
この記事を読めば、初心者でも丁寧にメンテナンスができるようになるので、最低限のメンテナンス費用に抑えることができるようになります。
結論を一言で言うと、アルトサックスの日々のメンテナンスでは「サックス内部の水分を徹底的に除去すること」が大切です。
- 練習前のメンテナンス:毎回コルクグリスを塗りこむ
- 練習中のメンテナンス:休憩中にサックス本体だけスワブを通す
- 練習後のメンテナンス:内部の水分を徹底的に取り除く
- 1.サックス本体とネック部分を外す
- 2.サックス本体にスワブを2~3回通す
- 3.サックス本体にキャップをつける
- 4.マウスピースキャップを外す
- 5.リガチャーを外し、水分がついていたら取り除いて片づける
- 6.リードについている水分を取り除き、リードケースに片づける
- 7.リードケースを片づける
- 8.マウスピース表面の水分を取り除き、マウスピース用のスワブを1回だけ通す
- 9.マウスピースキャップをつけて片づける
- 10.ネックにスワブを2~3回ゆっくりと通して片づける
- 11.吸水シートとクリーニングペーパーで全てのタンポの水分を取り除く
- 12.サックス表面に汚れがあればポリシングクロスでふき取る
- 13.サックス本体を片づける
- 14.湿度調整剤をサックスケースのベル付近に入れる
- 必要なメンテナンス用品7つ
- 【まとめ】サックスの日々のメンテナンスでは水分を取り除くことが重要
練習前のメンテナンス:毎回コルクグリスを塗りこむ
アルトサックスを練習する前に、次の手順でアルトサックスを組み立てます。
- ネックのコルク部分にコルクグリスを塗りこむ
- マウスピースをネックと合体させる
- リードをリガチャーでマウスピースに固定する
- マウスピースキャップを付ける
- サックス本体のキャップを外す
- ネックと本体を合体させる
- ストラップを首(肩)にかける
- サックスとストラップを合体させる
- マウスピースキャップを外して練習開始
1.ネックのコルク部分にコルクグリスを塗りこむ
まずはネックのコルク部分にコルクグリスを塗りこみます。
コルク部分がスベスベになったと感じるまで塗りこみ、付けすぎた部分は指でぬぐい取ります。
2.マウスピースをネックと合体させる
次にマウスピースとネックを合体させます。この時点では向きや深さは適当で構いません。
マウスピースとネックを合体させるときにはオクターブキーに触らないように気を付けることが大切です。
3.リードをリガチャーでマウスピースに固定する
次にリードをリガチャーでマウスピースに固定します。リードをマウスピースに固定するときは、先にリガチャーをマウスピースに通し、後から隙間にリードを挟み込む形でリードを取り付けます。
リードは装着前に軽く数回舌でなめて湿らせておきます。また、リガチャーのネジは「金属製は軽く」「革製はきつく」締めます。
4.マウスピースキャップを付ける
リードをマウスピースに取り付けたら、すぐにマウスピースキャップをつけます。
マウスピースキャップをつけるのは「リードとマウスピースの先端を守るため」と「リードの急激な乾燥を防ぐため」です。できるだけ速やかにマウスピースキャップをマウスピースにかぶせます。
5.サックス本体のキャップを外す
次にサックス本体のキャップを外します。
このキャップはネックとの接合部分を守るためにつけるものなので、ネックと合体させる直前まで取り付けておきます。
6.ネックと本体を合体させる
次にネックと本体を合体させます。ネックと本体の向きは自分が演奏しやすい角度に設定してネジを締めます。
7.ストラップを首(肩)にかける
ネックストラップであれば首に、ショルダーストラップであれば肩にストラップをかけます。
8.サックスとストラップを合体させる
ストラップのフック部分とサックス本体のストラップリングを合体させます。
9.マウスピースキャップを外して練習開始
最後にマウスピースキャップを外します。マウスピースキャップは演奏していないときには常につけておく意識を持つことが大切です。
練習中のメンテナンス:休憩中にサックス本体だけスワブを通す
アルトサックスの練習中には次の4つを意識することが大切です。
- 演奏していないときは常にマウスピースキャップをつける
- アルトサックスを置くときにはパームキーが上になる向きに置く
- アルトサックスを置くときには絶対に落とさない場所に置く
- 30分以上演奏して休憩する時には本体部分にだけスワブを通してタンポの水分も軽く取り除く
演奏していないときは常にマウスピースキャップをつける
マウスピースキャップをつけるのは「リードとマウスピースの先端を守るため」と「リードの急激な乾燥を防ぐため」です。演奏していないときは常にマウスピースキャップをつけておく意識が大切です。
アルトサックスを置くときにはパームキーが上になる向きに置く
アルトサックスは2.5kg程度あります。そのため、無造作に置くとサックス自体の重さでキーが変形してしまうことがあります。
アルトサックスはパームキーが上になる向きで置くように設計されています。アルトサックスを置くときには必ずパームキーが上になる向きに置くことが大切です。
アルトサックスを置くときには絶対に落とさない場所に置く
アルトサックスは2.5kg程度あるので、落としてしまうとサックス自体の重さで壊れてしまう危険があります。
「地面にそっと置く」「高い場所に置くときには狭い台には置かない」など、絶対に落とさないように置く意識が大切です。
30分以上演奏して休憩する時には本体部分にだけスワブを通してタンポの水分も軽く取り除く
サックスはかなり体力を使う楽器なので、30分演奏したら最低でも5分は休憩することをおすすめします。
休憩のときに次の作業を行います。
- サックスをタオルの上でひっくり返し、ベル内の水分をタオルに出す
- ネックとサックス本体を外し、サックス本体部分にだけスワブを1回通す
- タンポの水分を軽く取り除く
1.サックスをタオルの上でひっくり返し、ベル内の水分をタオルに出す
季節や練習時間にもよりますが、サックスを練習しているとサックス内部に水分がたまります。
サックス内部にたまった水分をタオルなどに出します。
2.ネックとサックス本体を外し、サックス本体部分にだけスワブを1回通す
ネックとサックス本体を外し、サックス本体の方にだけスワブを通します。1回だけで構いません。
1回だけでもスワブを通しておくことで、サックス本体内部の水分をおおよそ取り除くことができます。
3.タンポの水分を軽く取り除く
タンポの水分を軽く取り除きます。まだ練習途中なので軽くで構いません。「吸水シート」を使って全部のタンポの水分を軽く取り除いておきます。
ここまで時間にして3分程度です。
練習後のメンテナンス:内部の水分を徹底的に取り除く
アルトサックスの練習が終わったら、次の手順でアルトサックスを片づけます。
- サックス本体とネック部分を外す
- サックス本体にスワブを2~3回通す
- サックス本体にキャップをつける
- マウスピースキャップを外す
- リガチャーを外し、水分がついていたら取り除いて片づける
- リードについている水分を取り除き、リードケースに片づける
- リードケースを片づける
- マウスピース表面の水分を取り除き、マウスピース用のスワブを1回だけ通す
- マウスピースキャップをつけて片づける
- ネックにスワブを2~3回通して片づける
- 吸水シートとクリーニングペーパーで全てのタンポの水分を取り除く
- サックス表面に汚れがあればポリシングクロスでふき取る
- サックス本体を片づける
- 湿度調整剤をサックスケースのベル付近に入れる
1.サックス本体とネック部分を外す
まずはサックス本体とネック部分を外します。
2.サックス本体にスワブを2~3回通す
次にサックス本体にスワブを2~3回通します。
3.サックス本体にキャップをつける
サックス本体にスワブを通したら、できるだけ速やかにキャップをつけます。
4.マウスピースキャップを外す
「演奏していない時にはマウスピースキャップをつける」という意識が徹底されていれば、マウスピースにマウスピースキャップがついているはずです。
このマウスピースキャップを外します。
5.リガチャーを外し、水分がついていたら取り除いて片づける
リガチャーを外して片づけます。リガチャーの内側に水分がついている場合があるので、水分がついていたら柔らかい布でふき取ってから片づけます。
6.リードについている水分を取り除き、リードケースに片づける
リードには水分がついています。その水分を指で軽く取り除きます。
リードの水分を指で取り除いたらリードケースに片づけます。
7.リードケースを片づける
今後リードケースが必要になることはありませんので、リードケースを片づけます。
8.マウスピース表面の水分を取り除き、マウスピース用のスワブを1回だけ通す
マウスピースの表面(リードと接している部分)に水分がついていることが多いので、水分を指でぬぐいます。
そのあと、マウスピース用のスワブを1回だけゆっくりとマウスピースに通します。
9.マウスピースキャップをつけて片づける
マウスピースにスワブを通したら、マウスピースキャップをつけてサックスケースに片づけます。
10.ネックにスワブを2~3回ゆっくりと通して片づける
次にネックにスワブを通します。
ネックにスワブを通したあと、ネックをサックスケースに片づけます。
11.吸水シートとクリーニングペーパーで全てのタンポの水分を取り除く
いよいよ全てのタンポの水分を取り除いていきます。
「ネックのオクターブキー」「サックス本体のオクターブキー」「クローズドキー(手を離している状態で閉まっているキー)」などが忘れやすいです。
全てのタンポの水分をもれなく、吸水シートとクリーニングペーパーでふき取ります。
12.サックス表面に汚れがあればポリシングクロスでふき取る
サックス表面に汗や指紋がついていたときは、ポリシングクロスでふき取ります。
ポリシングクロスは楽器表面に傷をつけないように設計された布ですが、あまり神経質に磨くと塗装がはがれる原因になります。
汚れを目で確認したところだけをふき取る意識で十分です。
13.サックス本体を片づける
ネックとの接合部分にキャップがついていることを確認し、サックス本体をサックスケースに片づけます。
14.湿度調整剤をサックスケースのベル付近に入れる
湿度調整剤をサックスケースの楽器本体部分の隙間(別のあたり)に入れておきます。リードケースを入れる場所に入れてもあまり意味がありません。
必要なメンテナンス用品7つ
この記事で紹介した日々のメンテナンスに必要な道具は次の通りです。おすすめの商品も載せておきます。
- コルクグリス:YAMAHA コルクグリス CG4
- ネック用スワブ:YAMAHA クリーニングスワブS CLSS2
- サックス用スワブ:YAMAHA クリーニングスワブ2 CLSSAX2
- クリーニングペーパー:ギャラックス クリーンペーパー
- 吸水シート:ノナカ 吸水シート L-サイズ
- ポリシングクロス:YAMAHA ポリシングクロス M COTTON PCM3
- 湿度調整剤:Teeda WINDry 管楽器専用 湿度調整剤
サックスに付属しているものもありますが、全て消耗品ですのでなくなったら購入する必要があります。お金はかかりますが、定期メンテナンスで高額になってしまうことを考えたら安い買い物です。
【まとめ】サックスの日々のメンテナンスでは水分を取り除くことが重要
サックスの日々のメンテナンスでは水分を取り除くことが重要です。
きちんと水分を取り除くことができていて、物理的に壊してしまったりしなければ、定期メンテナンス(バランス調整)の費用は最小限に抑えることができます。
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